「虚木ノ咎人」
作/編曲:MANYO
作詞:日山尚
歌:HaRuhiCo 霜月はるか
刻(とき)は満(み)ちて月(つき)は陰(かげ)る 夜(よる)の穹(さら)を鎖(とざ)す蜘蛛(くも)の罠(す)
掛(か)かる蝶(ちょう)の羽(はね)は甘(あま)く 鮮血(ち)の混(ま)ざる泪(なみだ)の如(ごと)し
彼岸(ひがん)を映(うつ)す眼(まなこ) 逃(のが)れた御魂(みたま)を
封(ふう)じた籠(かご)の中(なか) 君(きみ)に届(とど)く慟哭(どうこく)
虚(うつ)ろな駆(からだ)の侭(まま) 誰(だれ)かと変(まじ)わる ゆめ
絡(から)めた指(ゆび)と指(ゆび)で 孤独(こどく)を埋(う)める 現(うつつ)の咎人(とがびと)
風(かぜ)を塞(ふさ)ぐ塚(つか)に宿(やど)り 虚実(にせ)の日々(ひび)を逝(い)き続(つづ)けても
光(ひか)る蝶(ちょう)の羽(はね)は脆(もろ)く 古(いにしえ)の骸(むくろ)の如(ごと)し
曝(さむ)した喉元(のどもと)へと刃(やいば)を突(つ)き立(た)て
苦痛(くつう)に歪(ゆが)むのは 嗚呼(ああ) 生命(いのち)の慟哭(どうこく)
虚(うつ)ろに燃(も)える焔(ほむら) 偽(いつわ)りばかりの熱(ねつ)
影亡(かげな)き貌(かたち)なれど 空木(うつぎ)を焦(こ)がす愛(かな)しき抜(ぬ)け殻(がら)
未練(みれん)を嘆(なげ)くだけの 愚(おろ)かな蝶(ちょう)たち
欺(あざむ)く現世(うつしよ)は 赦(ゆる)しを請(こ)う慟哭(どうこく)
虚(うつ)ろな地平(ちへい)の果(は)て 死人(しびと)が彷徨(さまよ)う穹(そら)
陽炎(かげろう) 辿(たど)りながら 孤独(こどく)な魂(こころ) 集(あつ)める旅人(たびびと)
虚(うつ)ろな姿(すがた)の侭(まま) 誰(だれ)かを求(もと)める ゆめ
拗(こじ)れた縁(えにし)の袖(そで) 素肌(すはだ)に触(ふ)れる現(うつつ)の咎人(とがびと)
【 おわり 】